ささちゃんくらい

ただの屑籠

路ション爺

バスに乗っていると木の前でたたずんでいる一人の爺が目に留まった。タバコでも吸ってんのかな。そう思うと爺は突然手を鼠径部に添えだした。ああ、こいつやったな。街中だぞ。歩道に背を向けていても車道からは丸見えだよ。

 

私はその時初めて自分の視力の良さを恨んだ。恨みまくった。爺の詳細が見えたから。爺は水切りをするとしばらくその場に立ちすくんでいた。爺と目が合った。

 

爺はあたりをキョロキョロしだした。マジか。

爺は車道を堂々と歩きだした。

私の乗っているバスに乗り込んできたのだ。