ささちゃんくらい

ただの屑籠

どうしようもないまま

泣きすぎて一重になった。

 

私はもともと一重だった。

一重がどうしようもないくらいコンプレックスだった。

 

母親は生まれたときから二重で前に見せてもらった小さい頃の写真は全部瞼の上に線があってうらやましくてしょうがなかった。転校してきたダンスグループに入って芸能活動してる女の子も茶髪で二重で背が高くてうらやましかった。

私は黒髪で髪質は教室の古くなったナイロンでできた箒のようで一重で鼻にニキビができてはからかわれて頭が四角くてハチが張っててなんでそんなに頭四角いの?と聞かれていた。自分の容姿が醜くてしょうがなかった。

中学の終わりごろ拒食症になって体がやせて瞼にうっすら線がつくようになった。その線に沿って顔の毛をそる用のカミソリで傷をつけた。

 

じわっと血がにじんだ。にじんだ血を指で押さえてこれでかわいくなれると思った。

瞼は重いままでただ目の上に傷がついただけだった。

 

絆創膏を切って目に貼り付けた。うっすら溝のようなものができて「ああ、そうか二重って瞼が重なっているから二重っていうんだ。」とおもった。

 

そのあとアイプチを買った。液を塗るタイプのやつ。

「瞼にゴミついてるよ。あ、アイプチか。」そう中学の大嫌いだった同級生に言われた。くやしくて目をこすって瞼からボロボロのカスみたいなのが落ちていった。

 

高校生になってアイテープを買った。アイプチもアイテープも目に違和感があって気づかれるな。そう思ったから学校にはつけていかなかった。実際、学校ではアイプチしてる奴がからかわれてたから。

 

家にいるときはずっとつけていた。夜寝るとき、朝起きてすぐ洗顔して保湿した後水分と油分を取ってアイプチを家に出るまで一時間程度つけていた。

 

右の眼はわりとすぐに二重になった。テープをつけなくても朝起きたら二重になっていて。ああやっぱ二重の方が目力あるじゃないか。二重の方が目に光はいるしまつ毛上がって見えるし。クラスの女子は9割二重だし。

 

左の眼はいつになっても二重にならなかった。また、どっちか片方が二重になるともう片方が一重になったりわりとめんどくさいな自分の目って思っていた。

 

寝るときにアイテープつけても起きると取れていて枕元にテープが張り付いていたりする。紛失することが大半だけど。

 

見かねた母が「二重の整形する?」と聞いてきた。私は「お金かかるからいい。」と答えた。「テープ買い続ける方がお金かかるでしょ。」母はそう言い放った。確かに整形もいいかもしれないな。広告でもよく見ていて埋没法をしたいなと思っていた。

 

でも私は針で瞼を縫うということの怖さと、テープを続けていればいずれは二重になると信じ込んでいたので「整形しない」と母に言った。

 

友人はきれいな二重を持っていた。蒙古ひだもなくて幅の広い二重。嵐の櫻井翔みたいな感じの目って言ったら分かるかな。

その子にも今日は二重の調子悪いんだねとか今日は二重くっきりだねと言われるたびにつらかった。だってその子は毎日コンディションがいいんだもん。ずるい。

 

私は今も整形しないでずっと二重テープを続けている。やっぱり右目は二重くっきりしているけど左目は起きた後うすい線が2,3本ついていて重たい瞼みたいな状態。でもアイテープを1時間ほどして外すとその日一日中はずっと二重みたいな状態。変なの。アイテープのやりすぎで瞼が伸びているのかもしれない。

 

今一番怖いのは瞼のたるみ、しわ、色素沈着。アイテープやめて埋没・切開なりした方がいいのかな。寝れなくて長々二重について語っちゃった。

 

でも二重よりかは小鼻の鼻翼のところが陥没しているのでそれをどうにかしたいって感じ。ああ、なんで整形が必要なくらいブスに生まれちゃったんだろ。

 

人生初の整形をしようか悩んでいるけどその前に死んじゃおうかな。でもかわいいまま死にたいから整形してから死のうかな。

なんてバカみたいなことばっか考えて容姿にとらわれてバカみたい。容姿への執着をなくしたいぜ。